原付の歴史について
なぜ「原動機付自転車」なのか?
私たちは普段50cc以下の小型バイクのことを気軽に「原動機付自転車(原付)」と呼んでいます。
現在の道路交通法では125cc以下の普通自動二輪車免許の小型限定として125ccまでのバイクに乗ることができるようになっているので、原付きよりもやや大きな排気量を持つバイクを「原付2種」として同じく他のバイクと区別して呼んでいます。
そもそもなぜ「原動機付自転車」と呼ばれているかというところから話をすると、それはもともとバイクという乗り物が、自転車に動力を搭載するところから開発がスタートしているからです。
世界最古のバイクとして認定されているのはフランスの発明家であるルイ・ギヨーム・ペローが1868年に考案したものです。
翌年1869年にはフランスの自転車メーカーのMishauzが蒸気エンジンを搭載した自転車を販売しています。
ただし現在世界的に生産されているバイクは誰か偉大な発明家一人の手によって作られたものではなく、ウィリアム・ハーレーや本田宗一郎、カルロ・グッツィ、ジェームズ・ノートンなど現在もよく知られているバイクメイカーの創始者たちがそれぞれ情熱を注いだ結果です。
とはいえしばらくは単純に自転車に動力が積まれたものでしかなかったのですが、それが自転車らしいペダルやチェーンなしで走れる構造になったのは1920年代に入ってからです。
その後はハーレー・ダビッドソン社などが大型の排気量の高い人気車種を次々作り出していくようになるのですが、一方で自転車感覚で使用することができる小型バイクも生産が続けられておりそれが当時の名残を残す形で「原動機付自転車」と呼ばれているのです。
スーパーカブの登場が道路交通法を変える
日本においても原動機付自転車とされるものはかなり昔から存在していました。
しかし従来の製品は自転車との明確な線引がなく、免許も必要なくノーヘルで乗ってもよい扱いになっていました。
その大きな転機となったのは、本田技研の発売した「スーパーカブ」です。
スーパーカブの初号機は1958年に販売されており、当時より現行機とほとんど変わらないデザインをしていました。
あまりにもスーパーカブが売れすぎてしまったために他メーカーからも同様の車種が販売されるようになり、それに合わせて道路交通法も改正されていきました。
当初は自主規制によりバイク性能を各メーカーが一部規制する形で対応していたのですが、中には法定最高速度30km/hのところ100km/h近く出せるようなモデルもあったようです。
その後2007年に排ガス規制に基づく法律ができたことにより、キャブレターからインジェクションというように大幅な技術向上がされています。