遊べるバイク「ズーマー」の魅力
ホンダNプロジェクトの中で登場したバイク
2005年からホンダが「若者向けのバイクを若手開発チームで提案する」ということでスタートしたのがホンダの「N-Project」です。
Nプロジェクトでは50ccまでの原付1種のバイクを5機種を販売したのですが、結果的に商業的に成功したと言えるのはこの「Zoomer(ズーマー)」のみとなってしまいました。
ちなみに同時期に同プロジェクトでリリースされたバイクとしては「エイプ」「バイト」「ソロ」と、250ccの「PS250」がありましたがプロジェクト開始から10年以上が経過した現在においてそのいずれかのバイクの名称を聞いたことがあるという人もそれほどいないのではないかと思います。
しかしながらNプロジェクト自体は非常に意欲的な取り組みであり、唯一生き残ったズーマーを見ても他の原付バイクにはない個性的なデザインが使用されていることがわかります。
2013年5月に大幅にモデルチェンジがありましたが、初代ズーマーはシート部分の真下が空洞となっているというかなり斬新な構造をしており、これまで主流となってきたどのバイクとも違うという魅力がありました。
現在もその個性的な見た目より初代ズーマーを中古で手に入れたいという需要はあるのですが、デザイン性に対して微妙にスペック的に不安が残る部分もあり、やはり信頼性ということでいうと他のホンダの原付ラインナップの方が数歩前に出ているといえます。
ファッション製の高さだけでない二代目ズーマー
初代ズーマーがリリースされたときのキャッチフレーズになっていたのが「露出系スクーター」です。
これは前後に極太タイヤを付けつつ、デュアルヘッドライトというバイクを構成する機器を最低限度のフレームで繋いだという構造をしているところに由来しています。
個性的なスタイルはそのままカスタムのしやすさにもつながっており、ズーマーをこれから手に入れたいという人の中には改造を目的としていることも珍しくありません。
これが2013年6月に大幅モデルチェンジによる「Zoomer-X」が発売となっており、排気量を新たに110ccと原付2種にパワーアップし遊び心を持ってより機動性の高い製品にしています。
一見初代ズーマーよりも普通のバイクの見た目に近くなったかのように見えますが、当初の斬新なデザイン性というコンセプトはきちんと引き継がれており、随所に「X」の文字をモチーフに取り入れたボディ仕様となっています。
メーカー希望小売価格は270900円とやや一般的なスクーター価格よりも高めとなっていますが、初代モデルよりも大幅に機能は改善されており長距離ツーリングにも便利な車体としておすすめできます。