バイクの転倒について
バイク転倒への最大の備えは任意保険加入
バイクを運転するときに最も注意すべきなのが転倒です。
4輪の自動車のようにバイクはスタンドを外した状態で自立をすることができませんので、突然の衝撃や進路変更をしたときにバランスを崩して転倒してしまうとはよくあります。
自動車の事故と比較してバイクの事故は非常に重症化しやすく、ちょっとの接触で大きな障害の残る事故になってしまうこともあります。
まずバイクに乗る前に絶対にしておいてもらいたいのが任意保険への加入です。
統計によるとバイクの免許を持っている人のうちバイクの任意保険に加入している人の割合は2~3割程度にとどまるとのことで、自動車の7~8割と比較してかなり低い数字です。
バイクを所有していると自賠責保険への加入が義務付けられますが、その保険でカバーされるのはあくまでも事故を起こした被害者側のみなので、その事故により自分が怪我をしたときにはその治療費を完全に自費で負担しなければならなくなります。
バイク事故の場合ただの骨折でも複雑化してしまったり、ひどい場合には脳など重要な器官に大怪我をすることになるので治療費は通常の転倒事故とは比較になりません。
いくら自分のバイク運転技術に自信があるという人であってもいつどのように事故が起るかは全く予想はできないので絶対に任意保険には加入するようにしましょう。
バイク転倒時に体験すること
バイク転倒に関する最も大きな誤解が「転倒はスピードが出ているときに起る」ということです。
実際の転倒事故を見てみると、スピードが最高に出ているときのものは案外少なくほとんどが交差点やカーブなど本来スピードを落とす場所で起こっていることがわかります。
実験では0~1km/hくらいの非常にゆっくりした速度でも転倒事故は起るということがわかっているので、徐行すれば安全という思い込みはまず捨ててください。
バイクの転倒を経験した人の多くがあとから感想として伝えているのが、「一瞬目の前が真っ白になった」ということです。
バイクの転倒の場合にはシートベルトがないのでそのままバイク本体から大きく体が投げ出されることになります。
カーブの曲がり角では遠心力により遠方に、衝突事故では上方に大きく高速で吹き飛ばされることになるのでほとんどの人は一瞬気を失います。
もし転倒したあとに意識があるなら、とにかく現状をすばやく把握し安全な路肩に這ってでも逃げるようにしましょう。
バイクの死亡事故の多くは転倒した後に後続の自動車や対向車に引かれることで起こっています。
また転倒したバイクもそのままにしておくことにより二次事故を起こす可能性があります。
事故時にはすみやかに安全な場所に自分とバイクを移動させるということを第一に考えましょう。