倒れた車体の起こし方の基本
小柄な人はバイクに乗れないというのは嘘です
1990年代に大流行をしたのが女性ライダーです。
現在ではややブームが落ち着いた感じがありますが、女性ライダーのみのサークルなどもありバイクを愛してくれていることがわかり嬉しく感じています。
しかしバイクの免許を取得したいと思うものの、果たして自分がきちんとバイクを扱えるだろうかということに不安を感じてためらっている人も見られます。
確かに自動二輪免許を取得するときの技能講習では必ずバイクの引き起こしをすることになっていますので、小柄な体格の人は大きなバイクを自力で立て直すときに不利になってきます。
ですが仮に屈強な男性であってもハーレー・ダビッドソンのような大型バイクになると重量は400kg近くになりますので腕力だけで持ち上げることはまず不可能です。
もし腕力だけに頼ってそうした大型バイクを立て直そうとしてしまったなら、腰を痛めてしまうことになるでしょう。
体格にかかわらずバイクを立て直すときにはちょっとしたコツが必要です。
逆に言えばコツさえつかんでしまえば小柄な女性でも十分に大きなバイクを立て直すことができます。
このときにポイントとなるのが力で車体を持ち上げようとするのではなく、タイヤの回転や慣性を上手に利用して自然に車体が起きるようにするということです。
同じ400kgの重量のあるものであっても貨物と異なりバイクには車輪がついていますから、勢いを付けながら回転させるようにしていくと自然に立ち上がってくれます。
隙間に体を差し込んで一気に立ち上げる
バイクの起こし方のポイントとしてよく言われているのが「持ち上げるのではなく立ち上げる」ということがあります。
バイクに慣れていない人の場合、倒れたバイクを起す時は倒れた底の部分を持って力で引き上げようとしてしまいます。
構造上バイクは完全に横倒しになってもハンドルによって下面に隙間ができますので、まずは倒れたバイクのハンドルを握り、そこから少しだけ車体を浮き上がらせたら前方向に引き上げるようにしましょう。
これが「持ち上げるのではなく立ち上げる」という言葉の意味で、力で立てるというよりは自然に立ってくれるように引っ張るという感覚です。
このときあまり前向きに強く引っ張り上げてしまうと勢いで車体が前に向かってしまいますので、あらかじめ右ハンドル部分のブレーキを握っておくということも大切です。
もし握力に自信がないという場合には、ヘアゴムなどを倒れたバイクの右ハンドルにかけておくとスムーズに立ち上げを行うことができます。
コツとしては腰ではなく足の力で前に引き上げるということですので、何度か繰り返し練習をしてみてください。